「タップ加工」とは?銅の加工に最適なタップ形状は?
こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。
銅にはさまざまな加工方法がありますが、そのなかでも比較的難易度が低いとされているのが「タップ加工」です。もちろん、畑鉄工株式会社でもタップ加工は少量生産から大量生産まで幅広く対応しています。タップ加工がどのようなものであるかを理解すれば、加工会社に依頼する際、細かなポイントまで指定することができるでしょう。
今回はタップ加工について詳しく解説するとともに、銅のタップ加工における最適な形状などについてもご紹介していきます。
タップ加工とは?
タップ加工とは、あらかじめ打ち抜き加工などによって開けておいた下穴に「タップ」という工具を差し込み、雌ネジ(内周に螺旋状の切り込みが入っているネジ)を作る加工方法です。数多くある加工のなかでも効率が良く、特に小さいネジの製作では生産性が高いため、依頼側にとって経済的な加工といえます。
銅などの金属に用いるタップ加工には、「切削式」と「転造式」という2つの技術が存在します。それぞれ特徴が異なるため、しっかり覚えておきましょう。
切削式タップ加工
切削式のタップ加工では、下穴の直径が雌ネジの山の直径とぴったり合うように下穴を加工していき、雌ネジの谷部分を作っていきます。切削式はそれほど精度を要求されない加工方法ですが、加工中は切りくずが発生するため、その他の機器などを傷つけないよう注意しなければなりません。
転造式タップ加工
転造式のタップ加工では、下穴の金属を加工によって押し潰し、押し出された部分の金属を寄せて山にしていきます。転造式は切りくずが発生しないためその他の機器を傷つける心配はありませんが、一方で下穴作成時には切削式よりも高い精度が求められます。
代表的なタップの形状・種類
タップにはいくつもの形状・種類があるのが特徴です。ここでは、代表的なタップの種類について紹介していきます。
スパイラルタップ
切りくずを後ろに排出するタイプの、溝が螺旋状になっている切削加工タップです。コイル状に切りくずがカールするような被削材に対して、高い効果を発揮します。
ポイントタップ
切りくずを前に排出するタイプの、食いつき部分の溝が斜めになっている切削加工タップです。スパイラルタップ同様、コイル状に切りくずがカールするような被削材を使う際に高い効果を発揮します。
ハンドタップ
切りくずを本体にためてくれるタイプの切削加工タップです。加工の際にタップが粉状になる被削材、もしくは高硬度の被削材において高い効果を発揮します。
ロールタップ
切りくずがまったく発生しないタイプの転造加工タップです。上記でご紹介した切削加工タップに比べて全体的な性能は高めですが、その反面扱いにくいという特徴があります。
銅のタップ加工に最適な形状は?
タップにはさまざまな種類があるとお伝えしましたが、いったいどのタップが銅加工に最適なのか、気になる方は多いでしょう。そこで覚えておきたいのが、「通り穴」と「止まり穴」の存在です。
通り穴は金属板を突き抜ける穴を、止まり穴は金属板を突き抜けない穴を指します。通り穴と止まり穴ではそれぞれ最適なタップが異なるため、注意が必要です。
通り穴に最適なタップとは
通り穴は、基本的にどんなタップも使用できます。そのなかでも最適なのが「ポイントタップ」です。ただし、加工物が切りくずをためやすい設計になっており、かつ加工に影響を与えてしまう場合などには、切りくずを抱え込んでくれるハンドタップを使用したほうがいいでしょう。
止まり穴に最適なタップとは
止まり穴で最適なのは、切りくずを後方に排出してくれる「スパイラルタップ」です。「ハンドタップ」や「ロールタップ」も使用が可能ですが、その一方で使用すべきでないのが「ポイントタップ」。切りくずを前方に排出するタイプのため、穴が突き抜けていない止まり穴では切りくずがたまってしまいます。
まとめ
今回は、銅加工において基本ともいえる加工法「タップ加工」についてご紹介しました。タップ加工で用いるタップにはさまざまな種類があり、それぞれ活躍する場面が異なります。
もしも銅・金属のタップ加工依頼を考えているようなら、「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社までご相談ください。畑鉄工では、独自開発したタップ自動機やタッパー、ボール盤を駆使し、少量生産から大量生産まで幅広く対応しています。自動機によって大量生産でも不良品が発生するリスクは低いため、安心してお任せいただけます。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
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