銅加工に用いられる
銅・銅合金の特長は多種多様
銅加工.comでは、10種類以上に及ぶ銅・銅合金を加工材質として使用します。用途に応じて最適な加工材質を選び、銅のポテンシャルを最大限に生かせることが弊社の強みです。このページでは、銅加工に使用する主な銅の種類と特長や、切削加工する際のポイントをご紹介します。
銅加工に使用する主な銅の種類と特長
Material
銅加工に用いる素材は「純銅」と「純合金」の2種類です。純銅は工業用に製造される純度の高い銅で、99.95%以上の純度を要します。一方の純合金は銅を主体とする原料のことで、剛性を改善できることがメリットです。銅の種類のほか、銅の特長を詳しく解説します。
銅という素材の特長
銅の特長は次のとおりです。
<銅の特長>
- 熱伝導率や電気伝導性が高い
- 腐食しにくく錆びづらい
- 光沢があり見た目が美しい
- 抗菌作用がある
- 金属としては柔らかく加工しやすい
- 磁性を持たないため磁気が発生しない
加工に適しており、意匠性も高いため、銅はあらゆる場面で利用されています。
銅加工に使われる主な銅の特長
ひとことで銅と言っても、銅加工に使われる銅の種類はとても多いです。ここでは、純銅・純合金を合わせて全部で10種類の銅の特長をご紹介します。
タフピッチ銅
純度99.90%以上の純銅です。絞り加工、曲げ加工、伸ばし加工いずれにも適しており、耐食性や対候性も高いことが特長といえます。ただし、600度以上に達すると銅の内部で水蒸気が発生して亀裂が生まれるため、高温加熱する加工には不向きです。
リン脱酸銅
金属や非金属脱酸材をごくわずか含み、なおかつ酸素をリンで除去した純銅がリン脱酸銅です。純度が高く柔らかいため加工に適しており、絞り加工・曲げ加工・伸ばし加工に適しています。また、溶接性・熱伝導性が高いことも特長です。
無酸素銅
酸化物を含まない、純度99.96%以上の純銅です。銅そのものの特長である導電性・熱伝導性・加工性をいずれも高いレベルで発揮します。加熱しても亀裂が生じないため、電子機器・熱交換器・ブスバー・化学工業用などに使われています。
リン青銅
リンを加え、青銅の利点を維持しながら高性能化した合金です。機械部品や電子部品などに広く利用されています。耐食性に優れ、加工性が高い青銅をより強化した合金といえます。
ベリリウム銅
銅に数%のベリリウムを添加した合金です。ベリリウムは銅よりも柔らかいため、組み合わせることでしなやかさが生まれます。耐摩耗性や耐食性も向上するため、携帯電話などの通信機器や自動車といった、生活に身近な道具の誘電材料として普及しています。
クロム銅(クローム銅)
0.4%~1.2%のクロムを追加した合金です。誘電性をさらに高められることが特長で、熱伝導性や耐熱性、耐食性、硬度などが純銅よりも高まります。主な用途は半導体のパッキングプレート、ガスタービン・蒸気タービン用軸受の裏金などです。
銅タングステン
金属のなかではもっとも融点が高い「タングステン」を70%~80%加えた合金です。純銅と比較して耐熱性が大幅に向上するため、高い機械的負荷や熱負荷にさらされる電極材の接点材料などに使われます。
高銅合金
銅の比率が高い銅合金の総称です。以下が高銅合金に該当します。
<主な高銅合金の種類>
- ベリリウム銅
- チタン銅
- ジルコニウム銅
- コルソン合金
- 鉄入り銅
- 錫入り銅
など
銅本来の熱伝導性・導電性を生かしやすいことが特長的です。
黄銅(真鍮)
銅と亜鉛をベースとして、鉛・錫・アルミニウムなどを添加して作る銅合金です。配合比率によって「丹銅」や「アルミニウム黄銅」など名称が変わり、機能性も変動します。歴史の深い銅合金であり、さまざまな用途で使われています。
青銅
銅を主成分として、亜鉛や錫を添加して作る銅合金です。大きく「りん青銅」「快削りん青銅」「アルミニウム青銅」などの種類に分かれます。ただし、アルミニウム製銅には錫が含まれず、その他の青銅と比較すると性質が異なります。
銅ニッケル合金
銅にニッケルを添加して作る銅合金です。耐食性や耐海水性を高められることが特長的で、白銅、キュプロニッケル、洋白、快削洋白などの種類に分かれます。
銅・銅合金の表記番号は1000番台~3000番台
銅・銅合金は、JIS規格により表記番号が統一されています。銅・銅合金の表記番号は1000~3000番台で、番号を見ると大まかな種類の確認が可能です。
1000番台 | 無酸素銅、タフピッチ銅などの純銅 |
---|---|
2000番台 | 銅と亜鉛の合金 |
3000番台 | 銅・亜鉛・鉛の合金など |
数字の後につく「P」「T」といったアルファベットは、材料の形状を表しています。
銅・銅合金を切削加工する際のポイント
銅や銅合金を高精度で切削加工するためのポイントは以下の3つです。
<銅・銅合金を切削加工する際のポイント>
- 油性クーラントを使用する
- 切削工具はすくい角の大きなものを選ぶ
- できるだけ高速で切削する
水溶性クーラントは銅を変色させる恐れがあるため、使用しません。銅・銅合金の加工には、切れ味が鋭い切削工具が適しており、切削抵抗を抑えるためにできるだけ高速で切削することが高精度で加工するコツです。
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