銅と真鍮はどう違う?主な用途とそれぞれの特徴を解説

こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。
普段何気なく使っている硬貨には、それぞれ異なる金属が使用されています。例えば、100円玉や50円玉は白銅(銅とニッケルの合金)、10円玉は青銅(銅とすずの合金)、5円玉は黄銅(銅と亜鉛の合金)といった具合です。
今回はそんな硬貨に使われている金属から、「銅」と「真鍮(しんちゅう)」の違いについてご紹介します。私たちの生活においてとても身近な硬貨から、それぞれの金属の特徴を探っていきましょう。
身近な金属、「銅」と「真鍮」の違い
銅は純金属であるのに対し、真鍮(黄銅)は銅と亜鉛を主成分とする合金です。一般に、銅-亜鉛系合金は亜鉛の含有量によって性質が変わり、用途に応じてさまざまな種類が使い分けられています。
また、銅と真鍮では重さが以下のように異なります。
- 銅:比重8.96
- 真鍮:比重8.45
銅と真鍮では、銅のほうが重くなります。しかし一方で、硬さについては亜鉛が含まれている真鍮のほうが上です。この「亜鉛が含まれる割合」によって真鍮の名称も変わってくるので注目ポイントと言えるでしょう。銅と亜鉛の比率が70:30なら「七三黄銅」(イエローブラスとも呼ばれる)、60:40なら「六四黄銅」という名称になります。なお、一般的な真鍮は銅と亜鉛の比率が65:35となっています。
「銅」と「真鍮」のそれぞれの特徴
純粋な銅と合金である真鍮では、特徴もやや異なります。では、それぞれの金属にはどのような特徴があるのでしょうか。
銅の特徴
銅は非常に優れた性能を持つ金属として、日常用品はもちろん、銅線や銅板として工業製品にも数多く利用されています。特筆すべきは、加工性の高さ。性質が柔らかいため細径・薄肉化などの加工が容易であり、さまざまな場面で活躍できます。
また、金属のなかでは寿命が長く、耐食性が高いのも銅の魅力。金属の課題であるさびに対して強く、建築材料として用いられるケースも多く見られます。加えて、銅や一部の銅合金には抗菌作用があることも近年注目されているポイントです。銅の表面では細菌やウイルスが比較的短時間で減少するとの研究報告があり、病院や介護施設のドアハンドル、手すりなどへの採用が進んでいます。ただし、銅素材の使用は通常の清掃・衛生管理を補完するものであり、代替するものではない点には留意が必要です。
2026年現在、銅は材料価格が歴史的な高水準にありますが、導電性・熱伝導性・加工性・耐食性・抗菌性という多面的な性能を兼ね備えた金属は他になく、銅が多くの場面で用いられるのは当然と言えるかもしれません。
真鍮の特徴
真鍮は、特に切削加工性に優れた銅合金として知られています。真鍮は代表的な銅合金として幅広く使われており、よく名前を聞く青銅(ブロンズ)よりも、利用されるケースは多いのです。一方、純銅は導電性・熱伝導性に優れ、電気部品や放熱用途に適しています。真鍮は純銅より材料コストを抑えやすい点も大きなメリットでしょう。特に2026年は銅の価格高騰が続いているため、導電性が最優先でない用途では、真鍮を選ぶことでコストダウンにつながるケースも増えています。真鍮もまたさびに強く、専用のクリームなどを用いてしっかり手入れをすれば酸化も防止できます。
真鍮を扱う際の注意点としては、硫黄化合物を含むゴム類(硫化ゴムなど)に接すると、表面に硫化銅が生成し黒ずみや腐食が進行する場合があること。また、真鍮特有の腐食として「脱亜鉛腐食」があり、水質・温度・流速等によってリスクが変わるため、給水・温水用途では耐脱亜鉛黄銅(DZR等)も選択肢になります。真鍮の製品には、なるべくゴム類を近づけないよう注意しましょう。
銅と真鍮、どちらを選ぶ?用途別の目安
銅と真鍮のどちらを選ぶべきかは、求める性能によって異なります。以下に、主な選定基準をまとめました。
| 重視するポイント | おすすめの材料 | 補足 |
|---|---|---|
| 導電性 | 純銅 | 電気部品・バスバー・ケーブルなど |
| 熱伝導性 | 純銅 | 放熱部品・熱交換器・調理器具など |
| 切削加工性・コストバランス | 真鍮 | 端子・コネクタ・バルブ・精密部品など |
| 見た目・装飾性 | 真鍮 | アクセサリー・金管楽器・建築金物など |
| 給水・温水用途 | 用途に応じて選定 | 脱亜鉛腐食に注意。必要に応じてDZR黄銅を検討 |
このように、「導電性・熱伝導性が最重要なら純銅」「切削性やコストを重視するなら真鍮」が基本的な考え方です。
銅と真鍮の主な用途
銅と真鍮には似た特徴を多く確認できますが、用途については異なる部分がいくつも見られます。以下では、2つの金属の主な用途について見ていきましょう。
銅の用途
加工がしやすく耐食性も高い銅は、用途もさまざまです。特に熱が伝わりやすいという性能を買われ、フライパンや鍋、やかんなどの日用品によく使用されています。
また、熱伝導性や導電性の高さから、銅はテレビやパソコンなどの家庭用電化製品にも多く用いられています。熱伝導性が高いということはすなわち「熱が冷めやすいという特徴を備えている」とも言えるため、エアコンや冷蔵庫などのパーツとしても最適です。
近年特に注目されているのが、EV(電気自動車)やAIデータセンター分野での銅需要の拡大です。EVのバッテリーやモーター、配電用のバスバー(導体棒)には大量の純銅が使われ、データセンターでも配電システムや冷却装置に銅が不可欠です。こうした次世代産業の成長により、銅の戦略的重要性はますます高まっています。
その他、耐食性の高さから建築物の配管や船のスクリューにも重宝されています。
真鍮の用途
真鍮は伸銅品(伸ばしたり圧縮したりして加工する銅)のなかでも使用される頻度が高く、さまざまな場所で活躍している金属です。冒頭でご紹介した5円硬貨のほか、金管楽器、水洗トイレの給水管、スパッド(接続部品)などに使用されています。
また、真鍮は黄金色に輝く美しい見た目から、ネックレスなどのアクセサリーに使用されるケースも多くあります。純銅よりアンティーク的な雰囲気を持っているのも特徴です。
工業分野では、真鍮の快削性を活かして端子・コネクタ・バルブ類の精密部品に広く採用されています。純銅ほどの導電率は不要だが、ある程度の導電性と高い加工精度が求められる部品に適した材料です。
まとめ
今回は、代表的な金属である銅と、その銅合金の一種である真鍮について違い、特徴、用途などをご紹介しました。どちらも加工しやすい金属であり、腕のいい加工業者に依頼をすれば完成度の高い製品ができ上がるはずです。2026年現在は材料価格が高騰しているため、「導電性・熱伝導性が最重要なら純銅」「切削性やコストを重視するなら真鍮」というように、用途に応じた適材適所の使い分けがこれまで以上に重要になっています。
銅の加工の依頼を考えているようなら、「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社まで一度ご相談ください。畑鉄工ではマシニング・プレス・フライス加工・ロウ付け・メッキ加工・絶縁加工など、多岐にわたる加工方法をご提案できます。きっと、お客様にとって納得のいく加工が実現できるでしょう。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
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