「プレス加工」とは?圧縮だけじゃない、さまざまな方法・種類をまとめてみた
こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。
自動車や家電など身近な製品において、各パーツの製造に「プレス加工」という技術が使われていることをご存知でしょうか?金属加工に関わる業種の方を除いて、ほとんどの方が詳しく知らないかもしれません。しかし、部品の大量生産などを検討する際には、「プレス加工」の技術に関する知識があると業者とのやり取りがスムーズになることもあります。
今回は、プレス加工について紹介し、その加工方法やメリット・デメリットについて解説いたします。
プレス加工とは?
「塑性(そせい)加工」の一種であるプレス加工は、作成した金型に被加工材を当てることで、金属をさまざまな形に変形させる手法です。プレス加工は特定の方法を指すのではなく、プレス機による圧力で型を抜く方法や、曲げ・絞りによって加工する方法など、金属板加工全般を指す言葉として使われます。金属加工を業者に依頼する際は、あらかじめ切断・曲げ・絞りなど、どんな加工を施すのかをイメージしておくことで共通認識を持ちやすくなるでしょう。
プレス加工は、金型さえあれば短期間で同じ形への加工を何回でも実施できます。そのため、自動車や家電に使われる部品の大量製造に多く用いられているのが特徴です。そのほか、技術の進歩によって、近年ではミリ単位の加工が求められる医療器具製造などにも採用され始めており、ニーズが高まっています。
目的別、5つの基本加工
プレス加工には大きく分けて、「せん断加工」「曲げ加工」「絞り加工」「成形加工」「圧縮加工」の5種類があります。それぞれ特徴や用途は異なるため、銅加工においてプレス加工を取り入れることを検討しているのであれば、適した方法を選ぶようにしましょう。
せん断加工
せん断加工とは、上下一対の金型を使用して金属板や金属棒などを切断する加工方法です。被加工材を下の金型(ダイ)に固定し、パンチ(上の金型)で強烈な圧力をかけることで、金属を切断する仕組みとなっています。また、単純な切断だけでなく、穴あけや打ち抜きなどもせん断加工に含まれます。金型さえあれば短期間での大量生産も可能であり、プレス加工のなかでも特にメジャーな方法と言えるでしょう。
曲げ加工
曲げ加工とは、被加工材を任意の形に曲げたり丸めたりする加工方法です。せん断加工同様、さまざまな場面で用いられる加工方法であり、特に板金製品などを作るうえで役立ちます。曲げ加工ではほとんどの場合、ダイとパンチからなる「ベンダー」という曲げ加工機を使用。ダイに乗せた被加工材に、パンチで圧力を加えることで希望の形に曲げていきます。曲げ加工は、ベンダーの種類によって「V曲げ」や「矯正曲げ」など、さまざまな形に金属を曲げられるのが特徴です。
絞り加工
絞り加工は、被加工材をプレスすることでつなぎ目のない容器状に形作る加工方法であり、アルミ缶やボトル容器、キッチンシンクの製作に用いられます。ダイとシワ押さえによって固定した被加工材を、パンチでプレスすることで深みのある容器状に加工。せん断加工などに比べ難易度の高い加工方法とされており、絞り加工を希望する際は高い技術を持つ業者を探す必要があるでしょう。
成形加工
成形加工は、ただ被加工材の形を変化させるだけでなく、強度向上や部品取り付けをしやすくする際にも用いられる加工方法です。主な種類として、板金に開けた穴周りに立ち上がり(フランジ)を付ける「バーリング加工」や、板金の表面に凸凹を成形する「エンボス加工」、被加工材の端部を丸めることで強度を高める「カーリング加工」などが挙げられます。目立たない部分の加工がメインとなるのが、成形加工の特徴です。
圧縮加工
圧縮加工とは、被加工材に熱を加えながら圧縮することで変形させる手法です。金属を削らず、叩いて伸ばしていく「スウェージング」やマーキングを行う「刻印加工」、硬化のような表裏で異なる模様を持った金属に加工する「コイニング」などが、圧縮加工の主な種類となります。また、名前が似ており混同しやすい「圧延加工」は、2つのローラーの間に被加工材を通す方法のため、まったく異なる加工です。
プレス加工のメリット・デメリット
金属を無駄に削らないプレス加工は、被加工材を効率よく使用できます。また、一度金型を作れば、その後は半自動での生産が可能になることもプレス加工の強みです。板金加工と比べ生産スピードに優れており、大量生産に適した加工でもあります。
一方で、プレス加工は成形できる形状に制限が存在します。金型に沿った加工となるため、思い通りの形状を作れるわけではありません。また、金型の製作には高い技術が求められ、業者の腕次第では加工の完成度が低くなる恐れがあります。
まとめ
今回は、プレス加工の種類やメリット・デメリットについて紹介しました。プレス加工にはさまざまな種類があり、希望する金属加工に適した方法を選択する必要があります。また、なかには職人の高い技術が求められる加工方法も存在するため、業者選びもしっかり行うべきでしょう。
「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社は、昭和10年に創業してから80年以上の歴史を持ち、高い実績と経験を誇っています。特に銅加工においては、信頼ある確かな製品の実現をお約束しています。もしも銅加工を検討する場合は、ぜひ畑鉄工株式会社までご連絡ください。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
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