ステンレスは無限にリサイクル可能?金属リサイクルの基礎知識
一般家庭から大企業の製品にいたるまで、実にさまざまな場所で活躍しているステンレス。耐食性や強度にすぐれ、長く活用できる金属です。
今回は、ステンレスのリサイクルについて説明していきましょう。
ステンレスの特徴
耐食性と耐熱性
ステンレスは、添加されたクロムが表面に不動態皮膜をつくり、周辺環境と反応しにくくなっています。そのため錆びず、さらに熱にも強く丈夫。スプーンやフライパン、さらに冷蔵庫や電子レンジなどの電化製品に最適で、家庭内でとてもなじみのある金属です。
硬度と耐衝撃性
外的な要素に対して強い金属のため、建築材料や構造材、屋根や配管にも使われています。また建物の内装にも多く使われており、ステンレスは建築物に欠かせません。
生産量
日本で生産しているステンレスは、世界全体の10%以上を占めています。また、生産したステンレスの60%以上は国内で使われていますが、残りは海外に輸出されています。
そして、生産された製品の約60%がリサイクル原料で作られている点も、大きな特徴といえるでしょう。
寿命がきたステンレス製品はどこへ
ステンレスは耐久性に優れていますが、不要となったステンレス製品を処分することがあるでしょう。その際には、環境への影響を十分に配慮しなくてはなりません。
埋め立て処理
ステンレス製品には塗料や被膜が施されているケースが多く、焼却処理によって有毒ガスが発生する可能性があるため、環境負荷を抑える目的で埋め立て処理を行うことがあります。
リサイクル
一方、不純物を取り除くことで、リサイクル率を高めることが可能です。ステンレスを廃棄する際に適切な分類をすることで、不純物を減らすことができ、リサイクルの促進につながります。ステンレスの価格も安定し、現代だけでなく次世代の資源としても活用できるようになります。
リサイクルの現状
ステンレスは、約80%がリサイクルされているといわれています。錆びにくいため、たとえ製品の寿命が来たとしても、ステンレスとしては高品質のままのことが少なくありません。
リサイクルの仕組み
ステンレスが使われた製品の中には、さまざまな金属が混じっていることがあります。しかし、ステンレスを他の金属と区別する技術はいろいろあります。たとえば、湿式精錬(液体を使って金属を精錬する方法)、乾式精錬(高温で金属を溶かして精錬する方法)、電解精錬(電気分解を使って金属を分離・精製する方法)などです。ステンレスは複数の金属の中にあっても区別しやすく、それがリサイクルしやすい理由の一つです。
他の金属と区別されたステンレスのスクラップは、クロムやニッケルなどと一緒に電気炉で溶解することで、また新しいステンレス製品に生まれ変わることができます。
さらに、製品の成型時に発生する切り落とされたステンレス端材も、集めて同様に成型しなおすことができるので無駄がなく、非常に地球にやさしい金属と言えるでしょう。
リサイクル時の注意点
例えば、油分や塗料などが付着したままではリサイクルの際に金属の純度が下がり、品質に影響を与えることがあります。そのため、汚れや異物をしっかりと取り除く必要があります。また、不純物が混入していると処理中に問題が起こることがあるので、混入していないか確認し、効率的にリサイクルができるように配慮します。
ステンレスは繰り返し利用できる
現在生産されているステンレスの60%が、リサイクルされたステンレスです。そして生産されたステンレスの種類は200種類以上とも言われているため、製品を作り出す際に専門的な知識があると、より適切な材料を選ぶことが可能となります。
株式会社ハタメタルワークスは、銅加工だけでなく、素材の特性を生かした加工を得意としております。銅加工やステンレス鋼などの金属の加工について、お気軽にご相談ください。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
詳しくはこちら