美しさと強さを兼ね備えたステンレスのヘアライン加工
ステンレスの特徴
「ステンレス」という名称は、英語のstainless steel(錆びにくい鋼)に由来しています。その名のとおり、ステンレス最大の特徴は錆びにくさです。主成分は鉄ですが、クロムを混ぜることで高い耐久性と防錆性を実現しています。表面が滑らかで汚れがつきにくいため、キッチン用品や医療器具、食品工場の設備など、衛生面が重視される場所で幅広く使われています。また、熱に強くて丈夫なことから、建物や自動車部品、機械部品といった、高い強度が求められる製品にもふさわしい素材です。加えて熱を伝えにくい性質を持っているため、温度変化が少なく、保温・保冷効果にも優れています。この特性から魔法瓶や水筒などの素材としても利用されています。
ヘアライン加工とは
ヘアライン加工とは、金属の表面を研磨することで、髪の毛のような細い線(ヘアライン)を同一方向につける加工技術のことです。ステンレスやアルミニウムなどに施されることが多く、独特の風合いと高級感を演出することができます。表面にまんべんなく入ったラインの効果で、傷が目立ちにくく、美観を保持しやすいことから、アクセサリーや腕時計、家電製品など、見た目の美しさと耐久性を求められる製品によく使われます。
ヘアライン加工のメリット
- 傷が目立ちにくい 金属の表面に細かいラインが入っていることで、使用中に傷がついても筋目に紛れて目立ちません。特にラインと同じ方向にできた傷は目に留まりにくいのが大きなメリットです。しかしその一方、ラインに対して垂直方向に傷が入ると、かえって目立ってしまいます。
- デザイン性の向上
ステンレスの表面にヘアライン加工を施すと、同一方向に細く研磨されることで、光沢が抑えられ、マットな質感に仕上がります。ピカピカになる鏡面仕上げと異なり、高級感や上品さ、洗練された大人っぽい雰囲気が生まれ、製品に独自の個性を加えることが可能です。 - 金属の質感を強調
ヘアライン加工によって、ステンレスの素材感がより際立ち、金属ならではの洗練された美しさを引き立てることができます。また光の当たる角度によって見え方が変わるため、豊かな表情を楽しめます。 - 滑り止め効果
研磨によって金属表面に繊細な凹凸が生まれるため、滑りにくくなります。またヘアライン加工によって光の反射が抑えられ、金属表面のゆがみや傷などが目立ちにくくなり、美しい外観を保つことができます。
ヘアライン加工の注意点
金属の表面を研磨して仕上げるヘアライン加工は、長期間の使用により筋目が徐々に薄れることがあります。また傷を目立ちにくくする効果があるものの、全く傷つかないわけではありません。一方、鏡面加工は美しい光沢が魅力ですが、傷が目立ちやすく、製造コストが高くなる傾向にあります。ヘアライン加工は、強い衝撃を加えたり、鋭利なもので引っかいたりすると、傷が残ることがありますが、それでも傷が目立ちにくいという特性は、日常使いにおいて非常に実用的です。こうした特徴を踏まえると、実用性とデザイン性を兼ね備えたヘアライン加工は、ステンレスの仕上げとして非常に優れた加工技術と言えるでしょう。
まとめ
ヘアライン加工は、機能性と美しさを兼ね備えたステンレス仕上げの優れた選択肢です。表面に繊細な筋目を施すことで傷が目立ちにくく、製品全体に落ち着いた印象を与えてくれます。銅加工・ステンレス加工をはじめとする金属加工に豊富な知識と実績を持つ「株式会社ハタメタルワークス」では、これまで培ってきた技術を駆使し、お客様のご要望に応じた製品を「高品質・短納期」でご提供しています。質の高い金属加工は、銅加工・ステンレス加工のプロフェッショナル「株式会社ハタメタルワークス」にお任せください。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
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