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5円玉が6円の価値に? 史上最高値を更新し続ける「銅」の最新事情

5円玉が6円の価値に? 史上最高値を更新し続ける「銅」の最新事情

5円玉が6円の価値に? 史上最高値を更新し続ける「銅」の最新事情

世界的なインフレの影響により、金や銀といった貴金属の価格高騰がニュースで取り上げられています。しかし実は、金属の世界では貴金属だけでなく、銅や亜鉛、ニッケル、スズなど、ありとあらゆる金属が高騰しています。特に銅はものすごい勢いで値上がりしており、過去最高値を更新し続けている状況です。

私たちの財布の中にある硬貨。その素材価値が、今まさに額面に迫ろうとしていることをご存じでしょうか。この記事では、銅加工専門メーカーの立場から、意外と知られていない銅の特性や価値について詳しくご紹介します。

 

止まらない銅価格の高騰

世界的な金属高騰の波

近年、世界的なインフレの影響を受け、あらゆる金属資源が高騰しています。金や銀といった貴金属だけでなく、工業用金属である銅、亜鉛、ニッケル、スズなども例外ではありません。中でも銅は特に顕著な価格上昇を見せており、連日のように過去最高値を更新し続けています。

 

数字で見る高騰の現実

具体的な数字を見てみましょう。2024年5月21日時点で、日本における銅建値は1kgあたり1,750円を記録しました。この数字がどれほど異常な水準かというと、リーマンショック後の2008年には300円台だったことを考えれば明らかです。わずか十数年で、銅の価格は実に5〜6倍にまで跳ね上がっているのです。

この急激な価格上昇は、世界的な需要の増加、供給の不安定化、そして投機的な動きなど、複数の要因が重なって起こっています。そして、この高騰は私たちの日常生活にも思わぬ形で影響を及ぼしています。

 

5円玉の原価が額面を超える!?

硬貨の素材価値が上昇中

銅価格の高騰は、実は私たちの財布の中にある硬貨にも大きな影響を与えています。10円玉の素材価格を現在の銅価格で計算すると、約7.8円にまで上昇しており、額面の10円に迫る勢いです。

さらに驚くべきことに、5円玉(銅と亜鉛の合金である黄銅製)に至っては、すでに素材の価値が5円を超えてしまっています。このまま銅価格の上昇が続けば、5円玉が6円以上の価値を持つ時代が本当にやってくるかもしれません。

 

【重要な注意事項】

ただし、ここで重要な注意点があります。いくら硬貨の素材価値が上がったとしても、硬貨を故意に損傷させて金属として売却することは、「貨幣損傷等取締法」によって罰せられる違法行為です。絶対に行わないでください。

 

実は1円玉以外はすべて「銅」の仲間

日本の硬貨の成分

日本では1円、5円、10円、50円、100円、500円の6種類の硬貨が流通しています。皆さんは、これらの硬貨が何の素材でできているかご存じでしょうか。

10円玉は見た目からも銅だと想像できますが、実はアルミニウム製の1円玉を除き、すべての硬貨が銅合金で作られています。具体的には以下の通りです。

  • 1円玉:アルミニウム(唯一の非銅系素材)
  • 5円玉:黄銅(銅と亜鉛の合金)
  • 10円玉:青銅(銅と亜鉛とスズの合金)
  • 50円玉・100円玉:白銅(銅とニッケルの合金)
  • 500円玉:ニッケル黄銅(銅と亜鉛とニッケルの合金)

このように、私たちが日常的に使用している硬貨のほとんどが、銅を中心とした素材で製造されているのです。

 

「硬貨は汚い」は誤解? 銅の超抗菌パワー

なぜ硬貨の素材として銅合金が選ばれているのでしょうか。その理由には諸説ありますが、銅の持つ優れた抗菌効果が大きな要因の一つとされています。

実はあまり知られていませんが、銅には強力な抗菌効果が確認されています。例えば、シンクの排水溝に銅を入れておくと、ヌメリを取る効果があります。実際に、銅製の流し用かごは抗菌効果を謳って様々なメーカーから販売されています。

また、銅イオンの殺菌効果により、花瓶の水の雑菌発生も抑えることができます。花瓶に10円玉を入れておくと花が長持ちするという話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これも銅の抗菌効果によるものです。

 

コロナウイルスやインフルエンザにも効果

近年では、銅のウイルスに対する効果も研究されています。日本銅センターの試験データによれば、コロナウイルスやインフルエンザウイルスへの抗ウイルス作用も実証されています。

「硬貨は色々な人が触っているので汚い」とよく言われますが、銅の持つ超抗菌効果により、実はそれほど汚くないというのが事実なのです。むしろ、銅の抗菌性が硬貨を清潔に保つ一助となっているとも言えるでしょう。

 

自由の女神も守る「銅」の耐久性

自由の女神はなぜ緑色なのか

銅の価値は、価格や抗菌性だけではありません。その優れた耐久性から、歴史的建造物にも数多く使用されています。

代表的な例が、ニューヨークの自由の女神像です。実は自由の女神も銅でできていることをご存じでしょうか。現在は緑色の姿が印象的ですが、建造当初は美しい赤橙色をしていました。

銅は本来、光沢を持った赤橙色の金属です。しかし時間が経つにつれて、その色は以下のように変化していきます。

赤橙色 → 褐色 → 暗褐色 → 黒褐色 → 緑青色

ピカピカの赤褐色の銅も美しいですが、緑青色(ろくしょういろ)に変化した銅にも趣があるのではないでしょうか。

 

サビが内部を守るメカニズム

銅は変色が起こりやすい金属のため、耐腐食性が弱いと考える方もいるでしょう。しかし、実際には逆なのです。銅の表面が変色する(酸化膜が形成される)ことによって、その酸化膜が保護被膜となり、金属内部を腐食から守っているのです。

このような優れた耐腐食性は、高い耐久性にもつながります。そのため、銅は建築において見逃せない長所を持っており、神社・仏閣、銅像など、長期間の耐久性が求められる歴史的建造物で数多く使用されてきました。

自由の女神が130年以上もの長きにわたってニューヨークの海風にさらされながらも、その姿を保ち続けているのは、まさに銅のこの特性のおかげなのです。

 

緑青は本当に有毒なのか

長期間大気にさらされた銅の表面にできる緑色の被膜、これが緑青(ろくしょう)です。緑青はサビの一種ですが、昭和の時代までは小学校の教科書にも「緑青は有毒」と間違った記載がされていたことがありました。

しかし、現在では様々な研究の結果、厚生労働省によって「緑青は普通物」に相当すると判定されています。つまり、緑青は無害なのです。ただし、今でも「緑青は毒」というイメージは完全になくなっていないのが現状です。

 

古くて新しい金属「銅」

生命維持に欠かせない銅

銅の価値は、工業用途や建築材料としてだけではありません。実は、私たち人間の健康維持にも欠かせない重要な元素なのです。

人間の体には約80〜100mgの銅が含まれています。銅は「必須微量元素」と呼ばれ、体の中で血液を作ったり、脳の働きを助けるなど、生命維持に重要な役割を果たしています。

通常は、バランスの良い食事を摂っていれば、必要な銅は自然に補給できます。しかし、発育の盛んな新生児の場合は、体内の銅含有量が大人の2〜3倍も必要になります。

お母さんの母乳には45μg/100mg程度の銅が含まれていますが、それでは十分ではないため、粉ミルクには320μg/100mgの銅が添加されています。非常にわずかな量ですが、赤ちゃんが健やかに育つために大きな役割を果たしているのです。

 

アルツハイマー病研究でも期待

医療分野でも、銅は注目を集めています。2001年、甲南大学の杉本教授が、アルツハイマー病の際に脳内に沈着するタンパク質の生成を、銅イオンを投与することで抑制する実験に成功しました。

現在も試験管内での実験段階にとどまっており、実際の治療に役立つかは未知数ですが、将来的には銅という古くて新しい金属が医療分野で大きな役割を果たすことが期待されています。

 

人類が初めて使った金属

銅の歴史は非常に古く、実は人類が初めて使用した金属だと言われています。古代文明は、石器時代を経て、銅・青銅時代、鉄器時代の順で発達したとされており、銅が初めて使われたのは紀元前7,000年〜8,000年頃と考えられています。

銅の元素記号「Cu」は、紀元前3,000年頃にキプロス島が銅の生産の中心だったことから、キプロスから転化したラテン語の頭文字に由来するといわれています。

 

まとめ

財布の中の5円玉が、素材価値で6円になるかもしれない──そんな驚きの事態を引き起こしているのが、現在の銅価格高騰です。しかし本記事でご紹介したように、銅の価値は決して価格だけではありません。

優れた抗菌性、耐久性、耐腐食性を持ち、さらには人間の健康維持にも欠かせない必須元素である銅。人類が初めて使った金属でありながら、現在も価格が高騰し続け、医療分野でも新たな可能性が研究されている「古くて新しい金属」なのです。

次に硬貨を手にしたとき、その小さな金属の中に秘められた長い歴史と優れた特性に、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

監修者情報
代表取締役 畑 敬三
不動産売却と不動産買取の専門店日本橋ホーム株式会社 株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。 詳しくはこちら

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