Blog

ブログ

銅価格は2027年も上がる?2026年の高騰要因と最新の見通しを徹底解説

銅価格は2027年も上がる?2026年の高騰要因と最新の見通しを徹底解説

銅価格は2027年も上がる?2026年の高騰要因と最新の見通しを徹底解説

最終更新:2026年10月5日

こんにちは。「銅加工.com」を運営する株式会社ハタメタルワークス、代表の畑です。

「銅の値段は、この先もまだ上がるのでしょうか」。ここ1年ほど、お取引先との打ち合わせでいちばん多くいただく質問がこれです。見積もりを出すたびに材料費の欄が書き換わり、発注側・受注側の双方が頭を抱えているのが2026年の現実だと感じています。

先に結論からお伝えすると、現時点で「2027年も必ず上がる」とは言えません。国際銅研究会(ICSG)は2026年・2027年ともに精製銅の供給過剰を予測しており、価格を押し下げる材料もあります。一方で、鉱山からの供給制約、在庫の偏在、AIデータセンターや電力網の需要、為替といった上振れ要因も残っています。国内の銅建値は2026年10月1日時点で1トン237万円(1kgあたり2,370円)と記録的な高値圏にあり、大きく値下がりすることを前提に調達計画を組むのは、現時点ではリスクが高いというのが当社の見方です。

この記事では、以前公開した銅価格関連の3本の記事を1本にまとめ直し、最新のデータに更新しました。直近の価格推移、高騰の背景、2027年に向けた見通し、そして調達や加工の現場でできる対策まで、1935年創業の金属加工会社として、現在は銅加工に特化している立場から整理します。

※本記事の価格は2026年10月5日時点で確認できた公表値にもとづく目安です。相場は日々変動するため、実際の取引では最新の建値をご確認ください。

 

目次

 

銅価格は今いくら?国内建値の直近推移

国内で銅の取引価格の目安になるのが「銅建値」です。JX金属が国際価格(LME)や為替の動きを反映して改定・公表しており、電線や伸銅品、銅加工品の価格もこの数字を基準に動きます。

2026年の銅建値は、1月から9月まで一度も月平均200万円を割り込んでいません。8月17日と9月24日には1トン242万円をつけ、2017年以降の公表値の中で最も高い水準に達しました。10月1日には5万円下がって237万円となりましたが、依然として高値圏です。

 

銅建値の月平均推移(JX金属公表値)
時期 月平均(円/トン) 1kgあたりの目安
2019年平均 約699,000 約699円
2024年9月 1,367,300 約1,367円
2025年3月 1,496,300 約1,496円
2025年9月 1,526,300 約1,526円
2025年12月 1,866,100 約1,866円
2026年3月 2,089,500 約2,090円
2026年6月 2,273,500 約2,274円
2026年9月 2,353,600 約2,354円

※2019年平均は同年1〜12月の月平均値を単純平均した参考値です。

数字を並べると、上昇の速さがよくわかります。2026年9月の月平均は前年同月の約1.54倍で、1年で5割以上値上がりした計算です。2019年の平均と比べると約3.4倍にもなります。新型コロナの影響で落ち込んだ2020年3月19日の55万円と比べれば、9月24日の242万円は4倍を超える水準です。

かつてのブログで「銅建値1,750円/kgは異常な水準」とご紹介したのは2024年5月のことでした。現在の2,370円/kgは、そこからさらに約35%高い位置にあります。

出典:銅建値|JX金属株式会社|https://www.jx-nmm.com/cuprice/

 

身近な例:5円玉・10円玉の素材価値はいくら?

価格の上昇を実感しやすい例として、硬貨の素材価値を計算してみます。

 

5円玉と10円玉の素材

日本銀行によれば、5円玉は銅60〜70%・亜鉛40〜30%の黄銅で、重さは3.75gです。10円玉は銅95%・亜鉛4〜3%・スズ1〜2%の青銅で、重さは4.5gです。

出典:現在発行されている銀行券・貨幣|日本銀行|https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/valid/issue.htm

 

10月1日時点の地金価格で計算すると

10月1日の銅建値(2,370円/kg)と、同日の三井金属の電気亜鉛建値(68万2,000円/t)で計算すると、5円玉1枚の地金価値は約6.4〜7.0円になります。旧記事のタイトルで「5円玉が6円の価値に?」と書きましたが、いまや額面を2割以上上回る水準です。

10円玉はさらに顕著です。銅の分だけで約10.1円となり、亜鉛やスズを数えなくても額面を超えています。

ただし、これはあくまで地金相場から計算した理論上の数字です。実際の製造には加工費などもかかるうえ、造幣局は貨幣の製造原価を公表していないため、硬貨の製造コストそのものとは一致しません。

出典:電気亜鉛建値|三井金属株式会社|https://www.mitsui-kinzoku.com/aen/

 

硬貨を溶かして地金にすることはできない

なお、貨幣損傷等取締法により、貨幣を損傷したり鋳つぶしたりすることは禁止されています。損傷や鋳つぶしを目的として貨幣を集めることも禁止の対象です。そのため、素材価値が額面を超えていても、硬貨を地金として溶解・再利用することはできません。

出典:貨幣Q&A|独立行政法人造幣局|https://www.mint.go.jp/faq-list/faq_coin

 

国際価格(LME)も2026年1月に過去最高値を更新

国内建値の土台となる国際価格も、2026年に入って大きく動きました。

英国の調査会社Benchmark Mineral Intelligenceによれば、2026年1月29日にロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月物は1トン1万4,527.5ドルまで上昇し、過去最高値を更新しました。1日の上昇幅としては2008年以来の大きさで、値幅制限に迫るほどの急騰だったと報じられています。

注目したいのは、この日の急騰に明確な決め手がなかった点です。同社は、ドルの先行きへの不安から実物資産に資金を移す動きが、金や銀だけでなく銅にも広がったことを背景に挙げています。AI投資の拡大がニュースになったことも、買いを後押ししたとみられます。一方で、高値は長続きせず、その日の終値は1万3,720.5ドルまで押し戻されました。

つまり現在の銅相場は、実際の需給だけでなく、投資マネーの流れや市場心理でも大きく振れる状態にあるということです。国内建値は為替の影響も受けるため単純には比べられませんが、その後も国内建値が240万円前後で推移していることは、国際価格の高止まりを反映したものといえるでしょう。

出典:Copper hits another all-time high, but gains fail to hold|Benchmark Mineral Intelligence|https://source.benchmarkminerals.com/article/copper-hits-another-all-time-high-but-gains-fail-to-hold

 

高騰が続く主な要因(AIデータセンター・電化・供給制約)

では、なぜ銅はここまで上がったのでしょうか。2025年10月にロンドンで開かれた「LMEウィーク」での議論を、JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)がまとめた報告をもとに整理します。

 

AIデータセンターと電力網の需要

もっとも話題になっているのが、AIデータセンター向けの需要です。データセンターは膨大な電力を使うため、受電設備や配電盤、ケーブル、冷却設備など、あらゆる場所に銅が使われます。報告で紹介されたマッキンゼーの分析では、データセンター向けの銅需要は2030年までに年間100万トンに達する可能性があり、これは世界最大級の銅鉱山1つ分の生産量に相当するという試算です。

ここに自動車の電動化や送電網の整備が重なります。EVの販売の伸びは一時期より鈍っていますが、電力を「つくる・送る・ためる」設備が世界中で増えていることに変わりはありません。当社が日々製作しているブスバー(バスバー)も、まさにこうした電力設備の中で電気を運ぶ部品です。

 

鉱山からの供給が増えにくい

需要が伸びても、供給はすぐには増やせません。新しい銅鉱山は、品位(鉱石に含まれる銅の割合)が歴史的な平均の0.8%程度から0.5%程度へと下がる傾向にあり、同じ量の銅を得るためにより多くの鉱石を掘る必要があります。新規プロジェクトの8割がコスト超過や1年以上のスケジュール遅延に直面しているとの指摘もありました。

さらに2025年には、主要鉱山での地震や事故が相次ぎ、世界の鉱山供給の伸びが2019年以来初めてマイナスになる見込みだと報告されています。

 

在庫の偏りと関税

見落とされがちなのが、在庫の「場所」です。米国の関税政策をめぐる思惑から米国向けに銅が大量に流れ込み、世界の在庫の約7割が米国に集中しているという指摘がありました。世界全体の在庫が足りていても、米国以外の地域では手に入りにくくなり、価格を押し上げる要因になっています。

 

日本では為替も効いてくる

国内の建値は、ドル建ての国際価格を円に換算して決まる仕組みです。そのため、海外の銅価格が横ばいでも円安が進めば国内価格は上がります。国内の銅加工メーカーにとっては、銅高と円安の二重の負担がかかりやすい構造です。

銅がなぜこれほど多くの用途で使われるのか、素材としての特徴については銅加工に用いる主な銅の種類と特徴を解説した記事もあわせてご覧ください。

出典:LME Week 2025参加報|独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)|https://journal.jogmec.go.jp/metal/current-topics/current-topics_01144.html

 

2027年に向けた見通し

結論を繰り返すと、2027年の銅価格は「必ず上がる」とも「下がる」とも言い切れません。ここでは、判断材料となる需給予測と、その読み方を整理します。

 

ICSGの予測:精製銅は2年連続の供給過剰

JOGMECの報告によれば、国際銅研究会(ICSG)は2026年4月の会合で、世界の精製銅(銅地金)の需給バランスについて、2026年は9万6,000トン、2027年は37万7,000トンの供給過剰を予測しました。精製銅の消費量は2026年に前年比1.6%増、2027年に2%増と見込む一方、生産量は2026年が0.4%増にとどまり、2027年は3%増と伸びが加速するとしています。2026年の生産が伸び悩む理由としては、コンゴ民主共和国のKamoa-Kakula鉱山やインドネシアのGrasberg鉱山で起きた事故の影響が挙げられました。

出典:ICSGの銅需給予測、2026年は96千t、2027年は377千tの供給過剰|独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)|https://journal.jogmec.go.jp/metal/news-flash/news-flash_00048.html

 

供給過剰予測なのに、なぜ価格は高いのか

この数字だけを見ると「2027年には値下がりするのでは」と考えたくなります。ところが、2026年も統計上は供給過剰と予測されながら、実際の価格は記録的な高値です。このずれを理解するには、ひとくちに「銅」と言っても、見ている段階が違うことを押さえておく必要があります。

銅は、鉱山で掘り出された鉱石を濃縮した「精鉱」になり、それを製錬・精製したものが純度99.99%以上の「精製銅(電気銅)」です。ICSGの供給過剰予測は、この精製銅の生産と使用のバランスです。一方、記事の冒頭で見たLME価格や国内建値は、取引所の在庫や現物の手に入りやすさ、投資マネーの動き、為替まで反映して日々決まります。年間の統計上は精製銅が余る見込みでも、米国に在庫が偏っていたり、精鉱の不足で製錬所の稼働が抑えられていたりすれば、市場では「手に入りにくい」状態が続くことになります。

さらにICSG自身が、中国の需要については公表データにもとづく「見かけ需要」で計算しており、国家備蓄や生産者・需要家・商社などの未報告在庫の増減は含まれていないと明記しているのです。こうした在庫の積み増しや取り崩しは規模が大きくなることがあり、世界の需給バランスの見え方を大きく変える可能性があります。中東情勢などの要因で実際の需給が予測から外れる可能性も、ICSGは認めています。

ICSGによれば、次回の会合は2026年10月にリスボンで開かれる予定です。最新の予測が公表された際には、あらためて確認することをおすすめします。

出典:Copper Market Forecast 2026/2027|International Copper Study Group(ICSG)|https://icsg.org/download/2026-04-23-press-release-icsg-copper-market-forecast-2026-2027/

 

上昇要因と下落要因

ここまでの内容を、2027年に向けた上昇要因と下落要因として整理しました。

方向 主な要因
上昇要因 AIデータセンター・電力網の需要拡大、鉱山事故などの供給障害、精鉱の不足、在庫の偏在、円安、投資資金の流入
下落要因 精製銅の増産、スクラップ由来の供給増加、世界経済の減速、円高・ドル高、投資資金の流出

どちらに振れても不思議ではない以上、「いつか元の水準に戻る」と期待して待つより、高い水準が続いても対応できる準備をしておくほうが現実的でしょう。今後の動きを追うなら、国内の銅建値、LME価格と取引所在庫、ドル円の為替、そしてICSGの需給予測の4つを定期的に確認しておくと、変化の兆しをつかみやすくなります。

 

価格高騰が銅加工・調達に与える影響と対策

銅価格の上昇は、銅加工品の材料費を押し上げ、製品価格にも大きく影響します。とくにブスバーやアースバーのように製品重量に占める銅の割合が高い部品ほど、その影響は大きいものです。1年で5割以上も地金が上がれば、加工賃をいくら抑えても製品価格への影響は避けられません。

そのうえで、発注側・受注側の双方が取り組める対策は次のとおりです。

 

見積もりの条件を明確にする

見積もりの有効期限を短めに設定する、あるいは銅建値に連動して価格を見直す取り決め(建値スライド)をあらかじめ結んでおくと、急な値動きのたびに一から交渉し直す手間が減ります。お互いに「どの時点の建値で計算したのか」を共有しておくだけでも、認識のずれは防げるでしょう。

 

設計と材質を見直す

必要な電流容量に対して断面寸法が過剰になっていないか、形状を最適化できないかは、検討する価値があるポイントです。ただし、ブスバーなどの通電部品では、許容電流、温度上昇、電圧降下、機械強度などの要求仕様を満たすことが前提です。

用途によっては真鍮やりん青銅などを検討できる場合もあります。ただし、日本伸銅協会・日本銅センターの資料では、銅の導電率を100とした場合、70/30黄銅は28、りん青銅は13程度とされており、純銅とは導電率や機械的特性が大きく異なるのが実情です。単純な材質の置き換えではなく、要求特性に応じた設計変更を含めて判断する必要があります。材質ごとの特徴やコストの違いは真鍮と青銅の違いを解説した記事が参考になります。

出典:伸銅品|一般社団法人日本伸銅協会・一般社団法人日本銅センター|https://copper-brass.gr.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/03/sindouhin.pdf

 

端材やスクラップを資源として扱う

銅は価値が高いぶん、加工時に出る端材や削りくずも資源として回収できるのが特長です。歩留まりのよい板取りを工夫することは、材料費の削減に直結します。

 

適正な価格転嫁のための交渉

原材料高への対応では、価格交渉も欠かせません。経済産業省・中小企業庁は毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」と定めています。2026年3月時点の調査では、中小企業の価格転嫁率は54.2%、原材料費の転嫁率は55.7%で、コスト上昇分を十分に価格へ転嫁できていない状況がなお残っています。原材料高は一社の努力で吸収できる規模を超えているため、建値の推移などの客観的なデータを示しながら、早めに相談することが大切です。

出典:価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査の結果を公表します|経済産業省|https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260626003/20260626003.html

 

まとめ:「下がるのを待つ」より「上がっても困らない」備えを

2026年の銅価格は、国内建値で1トン240万円前後という記録的な高値圏にあります。背景には、AIデータセンターや電力設備の需要拡大、鉱山からの供給の伸び悩み、在庫の偏在、投資マネーの流入、そして円安があります。2027年について、ICSGは精製銅の供給過剰を予測していますが、それだけで値下がりを見込むのは早計です。

銅は電気と熱を効率よく運ぶ素材として、これからの社会にますます欠かせない存在です。価格が高いからこそ、材質の選び方や設計の工夫、無駄のない加工で、使う量と価値のバランスをとることが求められています。

株式会社ハタメタルワークスは1935年に創業し、1988年に製造業へ本格参入しました。現在は銅加工に特化し、ブスバーやアースバーをはじめとする電気部品を製作しています。材質の見直しや形状の最適化といったコスト面のご相談にも対応していますので、銅価格の高騰でお困りの際は、図面の段階からお気軽にお問い合わせください。

■お問い合わせはこちら

監修者情報
代表取締役 畑 敬三
不動産売却と不動産買取の専門店日本橋ホーム株式会社 株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。 詳しくはこちら

無料プレゼント
銅加工.com監修銅加工ガイド

さらに銅加工について知りたい方は
こちらより資料がダウンロードできます。

  • 材質別、熱伝導率を比較すると見えてくる銅の「コスパ」
  • ケーブルに銅が使用される理由とは?金属の電気伝導率の比較
  • 同じ銅でも色が違うのはなぜ?銅の経年変化を解説します

など、あなたのお困りごとに関係する
銅にまつわる基礎知識を凝縮した必見資料です

氏名
ふりがな
電話番号
メールアドレス
メールアドレス(確認用)

UKAS ISO14001 ISO9001
  • tel:06-6783-8234
  • 無料お見積り
  • お問い合わせ