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オリンピックメダルの素材が移す、世界の金属需要最前線

オリンピックメダルの素材が移す、世界の金属需要最前線

オリンピックでの日本選手のメダルラッシュに毎日歓喜している方も多いと思います。

選手の胸に輝く金・銀・銅のメダル。
しかしその裏側には、世界経済の大きな潮流が存在しています。

EV(電気自動車)、AIを支えるデータセンター、半導体、そして太陽光パネル――。 これらの急拡大が、銅と銀の需給を大きく変えています。
本記事では、メダルの素材構造とともに、最新の金属市況動向を解説します。

オリンピックメダルの素材が移す、世界の金属需要最前線

■金メダルは”銀主体+金メッキ”

オリンピックが開催されるたびに注目されるのが「金・銀・銅」のメダルです。

しかし実際にどのような素材構成になっているのか、また近年の金属価格高騰がどの程度影響しているのかをご存知の方は多くありません。
 

実は、IOC規定により金メダルは純金製ではありません。

  • 本体:約92.5%銀
  • 表面:約6g前後の純金メッキ
  • 重量:約500~550g

仮に純金(約550g)で製作すれば、現在の相場では1個あたり800万~1,000万円超となり、さらに比重の関係で重量は約1kg近くになり、現実的ではありません。

つまり、金メダルは実質的に「銀メダルに金の象徴性を加えた構造」なのです。

 

■メダルの重量比較

近年の夏季大会ではメダルは大型化する傾向にあります。

例)近年大会の平均重量

  • 金メダル:約500~550g
  • 銀メダル:約500~550g
  • 銅メダル:約450~500g

金メダルと銀メダルはほぼ同じ重量で、違いは金メッキ部分のみです。
銅メダルは銅または銅合金で製作されますが、純銅ではなく、強度を高めるために錫(すず)などを加えた青銅(ブロンズ)が使われることが一般的です。


 

■各金属の特徴

・金(Au)

金は金属の中でも最高クラスの展延性を持ち、1gで約1㎡の金箔に延ばすことが可能です。
また酸化しにくく、腐食に極めて強いという特性があります。
電気伝導性も高く、電子機器分野では接点材料として不可欠です。

ただし非常に高価であり、2025~2026年にかけては1gあたり2万円を超える水準まで高騰しました。

このため、金メダルを純金で製造した場合、1個あたり数百万円規模になる計算です。

 

・銀(Ag)

銀は全金属中で最も電気伝導率・熱伝導率が高い金属であり、展延性も高く、加工性に優れます。
そのため、メダルの母材として最適な素材といえます。

近年は太陽光パネル需要の拡大により価格が上昇傾向にあり、数年前と比較して大きく値上がりしています。

 

・銅(Cu)

銅は人類が最初に使用した金属ともいわれ、電気伝導率は銀に次ぐ性能です。
比較的安価で加工性も高く、青銅としてメダルに使用されます。

近年はEV(電気自動車)や再生可能エネルギー、データセンター増設の影響で需要が急増し、LME銅価格は過去数年で大幅に上昇しました。
2016年頃と比較すると、2024~2025年は1.5~2倍近い水準になる局面もあります。

 

■金価格上昇の背景ーなぜ今、金が高いのか

近年、金価格は歴史的高値圏にあり、2016年頃と比較すると約1.5~2倍水準まで上昇しました。

この背景には、複数の構造的要因があります。

 

・世界的インフレと「安全資産」需要

コロナ禍以降、世界的な金融緩和と供給制約によりインフレが加速しました。物価上昇局面では、通貨価値の目減りを避けるために「実物資産」である金への資金流入が増えます。

そのため、金は“価値保存の資産”として数千年の歴史を持ち、インフレや通貨不安時に買われやすい特性があります。

 

・地政学リスクの高まり

ウクライナ情勢、中東問題、米中対立など、地政学的緊張が続いています。
不確実性が高まる局面では、安全資産として金が選好される傾向があります。

株式や通貨とは異なる値動きをするため、「有事の金」としての役割が改めて注目されています。

 

・各国中央銀行の金購入

近年、各国中央銀行による金準備の積み増しが加速しており、特に新興国を中心に、ドル依存を減らす動きが強まっています。

中央銀行が実需として買い支える構造は、金価格の下支え要因となっています。

 

・実質金利との関係

金は利息を生まない資産です。


■銀価格上昇の背景:半導体と太陽光パネル

銀は電気伝導率が全金属中で最も高い素材です。

特に影響が大きいのが、
・太陽光パネルの電極材料
・半導体・電子部品
です。

太陽光発電の世界的拡大により、銀ペースト需要が急増しており銀価格もここ数年で上昇傾向にあります。

金メダルの主材料が銀である以上、銀価格の上昇は大会運営コストにも直結します。

 

■銅価格高騰の背景:EVとデータセンター

近年、銅価格は大きく上昇しており、その背景にあるのが、電動化とデジタル化です。

・EV需要

EVはガソリン車の約3~4倍の銅を使用するといわれています。
モーター、インバーター、高電圧配線、充電インフラ――など、あらゆる部分で銅が不可欠です。

 

・データセンター・AI

生成AIの普及により、世界中でデータセンター建設が加速。
電源設備、変圧器、冷却設備、配線などで大量の銅が使用されます。

 

・再生可能エネルギー

太陽光発電や風力発電設備でも銅は重要素材です。
送電網増強も含め、電力インフラ全体で需要が増加しています。

結果として、LME銅価格は2016年頃と比較して約1.5~2倍水準まで上昇する局面も見られています。


 

■メダルは’世界経済の縮図”

金・銀・銅はいずれも、現代社会のインフラを支える基幹金属です。

・金:半導体・電子接点
・銀:太陽光・高性能電子部品
・銅:EV・AI・電力インフラ

メダルは、単なる表彰品ではなく、脱炭素化とデジタル化の象徴的な素材とも言えるのです。

 

 

■メダルが語る”次の時代”

オリンピックメダルは、
金属加工技術の結晶であると同時に、世界経済の変化を映す鏡でもあります。EVとAIの時代において、銅と銀はますます重要性を高めています。

選手が手にするメダルの輝きの裏には、世界的なエネルギー転換と技術革新の波があるのです。

 

■銅価格の上昇とハタメタルワークス

銅価格の上昇は、単なる市況変動ではありません。EV、AI、再生可能エネルギーといった構造的成長分野が背景にあります。銅は“時代の体温計”とも言える存在です。

オリンピックメダルに銅や銀が使われていることは象徴的です。これらは現代社会を支える金属であり、選手の努力と同じく、世界の技術革新を支えています。

私たちは銅加工に特化する企業として、価格変動に左右されるだけでなく、高付加価値化によって社会に必要とされ続ける存在でありたいと考えています。

オリンピックメダルの素材が移す、世界の金属需要最前線

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監修者情報
代表取締役 畑 敬三
不動産売却と不動産買取の専門店日本橋ホーム株式会社 株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。 詳しくはこちら

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