「どの材質を選べばいい?」
「どの加工が向いている?」
銅加工の“選び方”を、
判断材料つきで解説します。
銅加工を依頼するとき、最初の関門になるのが「材質と加工法の選定」です。
銅は種類によって性質が大きく変わり、用途に合っていないと、性能やコスト、納期に響きます。
このページでは、銅という金属の基礎から、材質の選び方・加工方法の選び方・つまずきやすい注意点、そして実際の加工事例までを、判断材料とあわせて解説します。
製品の発注先を検討している方が、自社のケースに当てはめて考えられることを目指した内容です。
監修|株式会社ハタメタルワークス 代表取締役 畑 敬三(昭和10年創業の銅加工専門メーカー)
銅加工とは
Basics
銅加工とは(基礎と特徴)
銅加工とは、銅や銅合金を「切る・曲げる・つなぐ・仕上げる」一連の加工の総称です。銅が多くの分野で選ばれるのは、次の性質を備えているためです。
電気をよく通す
高い導電性をもち、大電流を流すブスバーや電気接点などに使われます。
熱を伝えやすい
熱伝導性が高く、放熱部品や熱交換用途にも適しています。
加工しやすい
やわらかく延びやすいため、曲げや絞りなど複雑な成形に向きます。
さびにくい
耐食性があり、長期間の使用にも耐えます。表面処理でさらに高められます。
一方で、銅は材質ごとに導電性・加工性・コストのバランスが異なります。次章で、代表的な材質の違いと選び方を見ていきます。
銅の材質と選び方
迷ったときは「導電性を最優先するか」「切削など加工性を優先するか」で大きく分かれます。
代表的な銅・銅合金を、選定で見るべき観点(熱伝導率・導電性・加工性・コスト)と用途で比較しました。
| 材質(記号) | 熱伝導率 目安(W/m・K) |
導電性 | 加工性 | コスト | 代表的な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| タフピッチ銅(C1100) | 約391 | ◎ | ○ | ○ | ブスバー・電気部品(最も汎用) |
| 無酸素銅(C1020) | 約391 | ◎ | ○ | △ | 高信頼・高真空用途 |
| りん脱酸銅(C1220) | 約339 | ○ | ○ | ○ | 配管・熱交換(ロウ付け性が良い) |
| 快削黄銅(C3604) | 約106 | △ | ◎ | ◎ | 精密切削部品 |
| りん青銅(C5191) | 約63 | △ | ○ | △ | ばね・端子 |
◎=優れる/○=標準/△=やや劣る。熱伝導率は選定の目安です。
選び方の目安
大電流を流すブスバーならタフピッチ銅(C1100)、より高い信頼性が要るなら無酸素銅(C1020)、ロウ付けや配管ならりん脱酸銅(C1220)、精密な切削部品なら快削黄銅(C3604)が基本線です。
加工方法の選び方
加工法は「どんな形状か」「接合が要るか」「どんな仕上げ・機能が必要か」で選びます。
目的別に、主な加工方法と銅ならではのポイントを整理しました。
各加工の詳細は、それぞれの専用ページで確認できます。
01形状をつくる
02つなぐ
-
ロウ付け・はんだ付け
母材を溶かさずに接合でき、気密性・美観に優れます。用途で接合方法を選びます。
03機能を付与する
-
メッキ処理・絶縁処理
耐食性・絶縁・審美性を付与します。銅の用途に応じて使い分けます。
用途別の早見表
代表的な用途ごとに、材質と加工法の組み合わせをまとめました。
検討の出発点としてご活用ください。
| 用途 | 推奨材質 | 代表的な加工法 | 当社の対応 |
|---|---|---|---|
| 大電流ブスバー | C1100/C1020 | 切削・曲げ・タップ | 実績多数 |
| アースバー | C1100 | 切削・曲げ・穴あけ | 実績多数 |
| 精密機械部品 | C3604 | マシニング | 対応可 |
| 配管・熱交換 | C1220 | ロウ付け | 対応可 |
| ばね・端子 | C5191 | プレス | 対応可 |
失敗しないための注意点
銅加工でつまずきやすいのは、次の4点です。
発注前に押さえておくと、仕上がりとコストの見通しが立てやすくなります。
バリの処理
切削やプレスでは必ずバリが出ます。放置すると動作不良・ショート・ケガの原因に。仕上げ工程が品質を分けます。
反り・変形
銅はやわらかく、加工で反りが出やすい素材です。固定方法や加工の順序で抑えます。
酸化・腐食
高純度な銅ほど酸化しやすいもの。切削液の選定や、納期から逆算した防錆対策が要ります。
公差・寸法精度
わずかな狂いが製品全体に影響します。三次元測定機などで仕上がりを検証することが大切です。
よくあるご質問
どの材質を選べばいいかわからないのですが?
ご用途(流す電流・必要な強度・加工内容など)を伺い、最適な材質と加工法をご提案します。図面が固まっていない段階でもご相談いただけます。
小ロットでも依頼できますか?
はい、1個からの試作・小ロットのご依頼に対応しています。中量産(〜2000個/月)まで幅広く承ります。
図面がなくても相談できますか?
可能です。スケッチや現物、ご用途のご説明からでも、最適な材質・加工法をご提案します。
最短の納期はどのくらいですか?
内容によりますが、最短翌日の納品にも対応しています。お急ぎの場合はご相談ください。

監修|畑 敬三
株式会社ハタメタルワークス
代表取締役
昭和10年創業の銅加工専門メーカーの代表。
産業用電池・電源装置・配電盤向けのブスバー・アースバーを中心に、銅加工一筋で実績を重ねています。











