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金メダルは純金じゃない?金・銀・銅メダルの本当の素材と価値を徹底解説

金メダルは純金じゃない?金・銀・銅メダルの本当の素材と価値を徹底解説

金メダルは純金じゃない?金・銀・銅メダルの本当の素材と価値を徹底解説

表彰台で首にかけられる金メダル。あの輝きを見て「純金でできているのだろう」と思う方は少なくありません。しかし、現在のオリンピックの金メダルは純金ではなく、その大半が銀でできています。銅メダルも、実は名前どおりの「銅」ではありません。

この記事では、金・銀・銅それぞれのメダルに何の金属が使われているのか、IOC(国際オリンピック委員会)が定めるルールとあわせて解説します。さらに、素材としての価値をざっくり試算し、同じ金属が私たちの身の回りでどう使われているかまで、銅加工の専門メーカーである銅加工.com(株式会社ハタメタルワークス)の視点で見ていきます。読み終えるころには、メダルを見る目が少し変わっているはずです。

 

金メダルは純金ではない?意外な素材の真実

結論から言うと、現在のオリンピックの金メダルは純金製ではなく、銀を土台にして表面に金メッキ(金張り)を施したものです。見た目の黄金色は、うすく被せた金の層によるものにすぎません。

純金が使われない理由は、おもに二つあります。

  • コスト:近年の大会では実施競技・種目数が増え、必要なメダルは数千枚規模にのぼります。すべてを純金でつくれば製造費が莫大になり、開催国の負担が過大になってしまいます。
  • 強度:純金はやわらかく、傷や変形が起きやすい金属です。大きなメダルを長く保存するには、より丈夫な銀を土台にするほうが適しています。

たとえば2026年に開催されたミラノ・コルティナ冬季大会のメダルは、イタリア国立造幣局が製造し、製造廃棄物から回収したリサイクル金属を用いてつくられました。二つの半円が中央で結び合うデザインが特徴で、素材面でも環境への配慮が前面に出ています。「金メダル=純金の塊」というイメージは、実際の制作事情とはかなり異なるのです。

出典:メダル|ミラノ・コルティナ2026(Olympics.com)

 

金メダルの素材と規定

銀ベースに金メッキという構造

金メダルの本体(コア)は銀です。その表面に薄く純金をコーティングすることで、あの金色の輝きを出しています。つまり、金メダルと銀メダルは土台の素材がほぼ同じで、違いは「表面に金の層があるかどうか」というわけです。

近年の大会を見ても、金メダルの重量の大部分は銀が占めます。2024年のパリ大会の金メダルは総重量が約529グラムで、その内訳はメッキ用の純金が約6グラム、銀が約505グラム、そして中央に埋め込まれた鉄が約18グラムでした。この鉄は改修時に取り外されたエッフェル塔の部材を再利用したもので、開催地の象徴を刻む工夫として話題になりました。金メダルといっても、金はごくわずかしか使われていないことがよくわかります。

IOCが定める純度・重量のルール

オリンピックのメダルには、オリンピック憲章にもとづくIOCの基準があります。要点は次のとおりです。

  • メダルは直径60ミリ以上、厚さ3ミリ以上であること
  • 1位・2位のメダルは純度1000分の925以上の銀でつくること
  • 1位(金メダル)には、少なくとも6グラムの純金で金張りを施すこと

デザインそのものは各大会の組織委員会がIOCに提出し、事前の承認を得たうえで制作されます。IOCが素材と承認手続きに一定の基準を設けることで、大会ごとのデザインの自由度を保ちながらも、メダルとしての基本的な統一性が保たれているのです。

なお、金メダルがつねに銀製だったわけではありません。かつては純金製の金メダルが授与された大会もありましたが、大会規模の拡大にともない、現在の「銀を土台に金メッキ」という方式へと移行しました。純金のオリンピック金メダルは、いまや歴史のなかの希少な存在です。

出典:オリンピック憲章 1996年版 第5章 70|日本オリンピック委員会

 

銀メダルの素材

銀メダルは、名前のとおり銀でできています。純度92.5%以上の銀、いわゆるスターリングシルバーが使われるのが基本です。前述のとおり金メダルの本体と素材はほぼ同じで、金メダルはこの銀の本体に金メッキを加えたもの、と考えるとわかりやすいでしょう。

大会によっては、金メダル・銀メダルにより純度の高い銀が用いられることもあります。いずれにしても、金・銀メダルはどちらも「主役は銀」という点で共通しています。

 

銅メダルの素材──実は「銅」ではない

意外に思われるかもしれませんが、銅メダルは純粋な銅ではなく、銅を主成分とする銅合金でつくられるのが一般的です。純銅はやわらかいため、そのままではメダルに求められる硬さや耐久性を確保できません。そこで銅にほかの金属を混ぜ、強度を高めています。

英語では銅メダルを「Bronze Medal」と呼びますが、実際の配合は大会によって異なり、銅にスズや亜鉛などを加えた合金が使われます。たとえば近年の大会では、銅を95%前後とし、残りに亜鉛やスズを加えた合金が採用された例があります。

ここで押さえておきたいのは、銅を主成分とする合金がすべて「青銅」というわけではない、という点です。金属材料としては、銅にスズを加えたものを青銅、亜鉛を加えたものを黄銅、ニッケルを加えたものを白銅と呼び、配合によって区別されます。銅メダルは慣用的に「ブロンズ(青銅)」と呼ばれますが、素材の分類としては大会ごとの配合を確認する必要があるのです。

呼び名の関係を詳しく知りたい方は、銅・青銅・ブロンズの違いとは?英語表記や見分け方までまとめて徹底解説もあわせてご覧ください。

出典:五輪・パラリンピックのメダルはどのように作られているのか|科学技術振興機構(Science Portal China)

 

各メダルの素材価値をざっくり試算

では、それぞれのメダルは素材(地金)としてどのくらいの価値になるのでしょうか。ここでは前述のパリ2024の金メダル(総重量約529グラム=純金約6グラム+銀約505グラム+鉄約18グラム)を例に、2026年7月2日時点の相場で概算します。金は1グラムあたり約23,400円、銀は1グラムあたり約350円として計算します。

金メダルの素材価値(概算)

  • 純金 約6グラム分 → 約14万円
  • 銀 約505グラム分 → 約17.7万円
  • 鉄 約18グラム分(エッフェル塔の部材)→ 素材としてはごくわずか。金銭価値よりも象徴的な意味合いが大きい部分

合計すると、金メダルの素材価値はおよそ32万円前後です。金色に輝いていても、価値の多くを支えているのは実は銀だとわかります。

銀メダルは、金メッキがない分だけ低くなり、銀を中心に約17万〜18万円程度です。

一方、銅メダルは事情が大きく異なります。銅の取引価格は貴金属に比べて格段に安く、おおまかにいえば銀の100分の1以下、金なら1万分の1以下の水準です。銅合金が約450グラムだとすると、素材としての価値は数百円から千円程度にとどまります。色の順位と素材価値の順位は、単純には一致しないのです。

なお、これらはあくまで地金としての概算であり、実際には製造・加工の費用や、メダルそのものが持つ名誉・希少性といった付加価値は含まれていません。過去にはメダルがオークションで高額落札された例もあります。素材価値と、メダルが背負う価値はまったくの別物だと理解しておきましょう(金・銀・銅の相場は変動が大きいため、上記はいずれも2026年7月2日時点の目安です)。

出典:貴金属価格情報|田中貴金属工業

 

身の回りにもある金・銀・銅

金・銀・銅は、表彰台の上だけの特別な金属ではありません。電子機器のなかでは、腐食しにくく導電性の高い金がコネクタや基板の接点に、優れた導電性を持つ銀が電気接点や電子部品に、そして電気をよく通しリサイクルもしやすい銅が電線やケーブルに、それぞれ広く使われています。

なかでも銅合金は、私たちがもっとも身近に触れている金属のひとつです。日本の硬貨は、アルミニウム製の1円玉を除き、すべて銅を主成分とする合金でできています。

  • 1円:アルミニウム(唯一、銅を含まない硬貨)
  • 5円:黄銅(銅と亜鉛の合金)
  • 10円:青銅(銅にスズなどを加えた合金)
  • 50円・100円:白銅(銅とニッケルの合金)
  • 500円:バイカラー・クラッド(ニッケル黄銅・白銅・銅を組み合わせたもの)

メダルで使われる金属のうち、特に銅合金は日本の硬貨にも広く使われており、財布の中でも身近に触れている素材だとわかります。硬貨に使われる銅合金の違いは、銅と真鍮はどう違う?主な用途とそれぞれの特徴を解説でも詳しく紹介しています。

ちなみに、近年は銅の価格が歴史的な高値圏にあり、硬貨の素材価値が額面に迫るケースも話題になっています。ただし、素材価値が上がったからといって硬貨を故意に溶かしたり損傷させたりして金属として売る行為は、貨幣損傷等取締法で禁じられた違法行為です。あくまで「身近な金属の価値を知る」豆知識として受け止めてください。

出典:現在製造している貨幣|独立行政法人造幣局

 

まとめ

オリンピックの金メダルは純金ではなく、銀を土台に薄く金メッキを施したものです。銀メダルは純度92.5%以上の銀、銅メダルは純銅ではなく銅を主成分とする銅合金でできています。素材価値を概算すると、金メダルの価値の多くを支えているのは実は銀であり、銅メダルは数百円から千円程度と、色の順位と素材価値の順位が単純には一致しないこともわかります。

✓ポイントを整理すると、金メダルの正体は「銀+金メッキ」であること、IOCの基準では銀の純度1000分の925以上と純金6グラム以上の金張りが定められていること、そして銅メダルは配合によって性質が変わる銅合金であること、の三点です。金・銀・銅は電子部品や硬貨など私たちの身近なところでも活躍しており、メダルはその価値を象徴的に映し出しているといえるでしょう。

銅加工.comでは、銅や銅合金を中心とした金属加工を専門に手がけています。素材の特性を知りたい方や、加工についてのご相談がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

監修者情報
代表取締役 畑 敬三
不動産売却と不動産買取の専門店日本橋ホーム株式会社 株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。 詳しくはこちら

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